クライアント様のコミュニケーション展開において事後に問題となるケース。たとえば、あるブランドの表現コンセプトを開発し様々なメディアで媒体に落として展開していくうちに、スタート期から半年もするといつの間にか当初のコンセプトがおざなりになり目標としていたイメージの浸透が図れていない、ということはないでしょうか。

アウトプットされる様々なメディアでの表現に様々な人が関与し、その時々に応じてよりインパクトや注目を高めるようアレンジを加えていくことは、その時点では、新鮮な表現ができた!と納得することもおありでしょうが、結果がでない=実はコンセプトが死んでしまっていることを理解する必要があります。コンセプトというものは表現の指針であり、道しるべであり、そのブランドの哲学と直結しているものです。表層的な表現のバリエーションに一喜一憂することはブランド管理の側面では危うさにも繋がります。

危うさ=ブランドトーンが確立されない

→ 伝えたいことの「告知」はできるが、ブランド要素の浸透は図れない。

発信していく表現はコンセプトと直結した上での多面的な表現であるとともに、一元的なブランドの発信イメージ管理システム(コミュニケーションガバナンス)に基づいた表現であるべきです。末永くブランドイメージを表現でも確立している企業やブランドにはブレがありません。伝える内容は時々によって変わってもブランドトーンはそのままです。お客さまにはそのイメージは物語のように記憶されます。その物語はやがて、価格帯を超えてそのブランドを選ぶ大きな要素となるのです。大切に大切に、伝えていきたいものです。その気持ちは必ずお客様に伝わり、その世界感は選ばれるための礎になるものですから。